ガボじいのCANCERノート

ガボじい2冊目のノートのテーマは 'がん'   シリアスながらフッと笑みもこぼれます

放射線治療の晩期障害と思われる排尿痛は相変
わらず続いており というか頻尿に切迫尿の症状
も加わりむしろ複雑化してきている   そんな折

 前立腺がん 治療体験記

の壱( ichi )さんから同じ体験のコメントを頂き
心配が薄らいだ   やはり同胞は頼りになる  

勝手に同胞と呼ばせていただいたが  私にして
みれば前立腺がんを体験された方は皆同胞との
意識なのだ  4月前半までこんな調子だったが

暖かくなったせいもあるだろうが4月中旬から
排尿痛が緩和されはじめ  すると漏れる寸前の
切迫感も薄らぎ我慢出来るレベルまで落着いた

どの位で痛みが消えるのかは個人差があるがガ
ボじいの場合は今年4月で7か月目まだ若干の痛
みは残っているがピークは過ぎつつあるようだ

話は前後するが晩期障害に否定的だった北里大
学病院も尿検査で細菌も血尿も検出されなかっ
た結果を受けて
 
<気長に付き合っていきましょう>

とトーンダウン 個人差はあるがそういうケース
も稀にありますねと最初に言えばよかったのに...

と  ここまで4月初めに書いたところで中断 //
何故かって?
それは新しい展開が無かったからに他ならず

“便りがないのは元気な証拠” と言う人もいれば
“死んだかと思ったで  いや〜ホンマに“  などと
ズバッと胸元に直球投げる人もいてまあ最終的
には確かに治るか死ぬかに違いないけれど...

で新たな展開は   7月中旬 北里大学病院を受診
の際   放射線治療後のホルモン療法をこの7月
で終了する事になったのだ

<あれっ 先生3年間続けるって言ってませんで
したっけ?>

<そうですねゴメンナサイ  最初はその予定だ
ったんですがこちらのプロトコルが変更になり
まして...>

早い話が アジュバント療法の3年と2年の治療
成績に大きな差がないというわけなのだ

既に3年目に入っている患者さんは継続するの
だがオジさんの場合ちょうど2年目が終わった
タイミングなので終了するという  えっいいの

そりゃ大した差がなければ10万円近いお金を
払ってまで続けてもね  もったいないデスお金

ホルモン療法を続けていた間ゼロに近い数値で
落ち着いていたPSAが今後どんな動きを見せる
のか  根治か再発か? シーズン2のスタートだ

勤務先の定期健診で '寝耳に水' の高PSAと診断
され半信半疑で受診した精密検査の結果は...
  • PSA        21.152ng/ml
  • G.S         4+5=9
  • STAGE   T2b~T3aN0M0
高リスクの前立腺がん ステージIII の告知だった

ああ あれから早2年が過ぎ「 CANCERノート」と
題しその間の心境を綴ってきたがそれというのも
そもそもが離れて暮らす身内とのこんなやり取り
から始まった

📶 <どう 元気?>

📶 <いや それが... じつは....>

でもって事の顛末から始まり それからああして 
こうしてと経過を説明  冗談めかしてこう言った

📶<うちの家系はガンじゃなく循環器系なのにね>

電話で話すとアッという間に数十分が経過して
毎回これじゃ大変だ  何か他の手段にしようと

ならばとメールにしてみたがそれとてその都度
のやり取りは結構面倒で便利なLINEも会話調の
短いやりとりはいいが深刻な長文はそぐわない  

そこでサンドイッチ弁当作りが高じて始めたblog
がよかろうとなり2冊目は日記形式で経過と近況
レポートの「CANCERノート」となった次第
 
相手がこのアドレスにアクセスしてくれれば
現状はああそうかそうなんだねと詳しく解る
PSA2019110.001
で近況は 10月と1月検診は共に0.001ng/ml
PSAの数値と裏腹に最近ちょっと気になるのが
ツーンとくる排尿痛で  特に排尿寸前が痛い

すわっ再発か?と10月の検診時に恐る恐る相談

<放射線治療の晩期障害で治療後数ヶ月から
数年後に表れる事もあるらしいですね? >

3ヶ月毎に血液検査とリュープリン注射で通院
している地元の南多摩病院の主治医は  

<尿道付近にも放射線は当たってますからね>

と放射線治療の影響も匂わせこう言った

<気になるのなら次回尿検査しましょうか?>

放射線治療を行なった当の北里大学病院では

<膀胱炎か何かでしょう>

と軽くいなされた 今まで何ともなく 1年以上
も経過してから影響が出る事はないと力説

どちらの病院の反応も 緊急性はなくそのうち
治るでしょうという程度だったからオジさん
もああそう  と胸をなでおろした

が  3ヶ月後の尿検査は血尿も細菌もなく全て
正常  じゃあやっぱり......

これじゃ細菌でも見つかって  
ホラ言った通りでしょ  
抗生物質出しときますからすぐ良くなりますよ 
となった方がよっぽど気が楽だったかな

ガンの特効薬ができたらノーベル賞ものだよと
長年言われ続けてきた事がついに現実となった

スウェーデンのカロリンスカ研究所は 1日 2018年
のノーベル医学・生理学賞を、免疫を抑制するタン
パク質を発見し、がん免疫治療薬オプジーボ
開発につなげた京都大特別教授の 本庶佑 (ほんじょ
たすく) 氏(76)ら2氏に授与すると発表した。
中略)
がん細胞が人の免疫力から逃れて生き延びる仕組み
を阻止し、免疫細胞の攻撃力を高めて治療する全く
新しいメカニズムの薬を開発した。
このタイプの薬は免疫チェックポイント阻害薬」
と呼ばれ 一部のがんに劇的な効果が確認されており
がん治療を一変させる新薬として近年,世界的に注目
を集めている。 
産経ニュースより原文のまま https://www.sankei.com/life/news 


腫瘍細胞は細胞表面にPD-L1を持った細胞外小胞を
多くの場合エクソソームの形で放出している   この
PD-L1はT細胞上のPD-1と相互作用し免疫チェック
ポイント応答を引き起こす
https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/560/7718/より

オジさん初め一般人には上記の文章を読んでも
何の事だかチンプンカンプンなので図解すると

※画像をタップor
クリックすると拡大できます
img_checkpoint03
がん細胞が免疫細胞の攻撃から逃れる仕組み
                              ⬇︎
img_inhibitor02
抗体で免疫チェックポイントを阻害し攻撃
画像:http://www.immunoncology.jp/medical/basic/より

そうか  オジさんが#34で見たTV番組のエクソ
ソームとの関係が分かった これこそ 'がん細胞
が人の免疫力から逃れて生き延びる仕組み'  か

 
236
がん細胞がエクソソームを介し転移するイメージ
画像:http://kokin-aroma.jp/modules/gnavi5/より

世界的にがん免疫療法はこれまでの化学療法や
放射線療法にとって変わる有力な治療法となる
だろうが現在の日本では玉石混交
の療法が存在
している との指摘もある  

そのほか様々な情報から受けるオジさんの印象
ガンの特効薬だと言い切るにはあと一歩......   

なぜか
・現段階では効果が一部のガンに限られている
・免疫力には個人差があり治療効果に違いがある
・一部では副作用も複数指摘されている
・有効性・安全性において他の治療との併用が
 確立されていない
・抗がん剤による化学療法の経験が必要となる
 など治療対象となる患者が限られる
・4割安くなるとはいえ保険適用外だと年間で
   1千万円以上と高額 - 例:体重60kgとして
(高額療養費制度利用でも概算年間100万円前後)
※70歳未満 所得区分ウ 医療費月100万円で窓口3割負担の場合

今はあと一歩  だが近い将来必ずや保険適用も
拡大され 薬価も下がり 多種多様なガンに対応
できる日が来るに違いない  とオジさんは思う

放射線治療を受けたのがきっかり一年前の7月
その後は3か月毎に血液検査とホルモン治療を
続けPSA値の推移はグラフの通り限りなくゼロ
PSAの推移726.001
放射線治療でガン細胞が消えたからゼロに近い
というならバンザ〜イだがそう簡単なものでも
ないらしい   前からの疑問をドクターに聞いた

Ga <一つ聞きたいんですけど今回 0.002じゃな
いですか  これって  リュープリンが効いて男性
ホルモンを遮断した状態になっているからPSA
合成自体が前立腺でされてないって事ですか?>

Dr. <そうです その通りですね...  だから放射線
治療の効果はどうなんだって聞かれると そりゃ
わからないですねまだ...     まだホルモン治療で
マスクされてしまっているので  だからホルモン
療法を止めたあとに  どうかって...  >

ーオジさん的解釈はこうだー
前立腺は精液を作る臓器だ その前立腺上皮細胞
で合成されるタンパク質分解酵素の一つがPSA
であり精液中に分泌される
前立腺ガンの腫瘍マーカーである血液中の PSA
は通常は極々微量だがガンなどの疾患で分泌腺
の構造が壊されると漏出の度合いが増す

前立腺ガンの患者にホルモン療法を行うと男性
ホルモンが少なくなりPSAがガクンと低下する
男性ホルモンを餌にしているガン細胞が死ぬの
も一因だが男性ホルモンの刺激がなくなりPSA
の合成が低下するのだ
https://gansupport.jp/article/cancer/prostate/2711.htmlより要約

オジさんのグラフを見ても ガクン ガクン だが
主治医の発言どおりまだホルモン治療でマスク
されてしまっているので安心してはいけない

放射線治療後のホルモン療法は3年間と長期に
わたるがそれはオジさんが高リスク群の前立腺
ガン (ステージ III  T3aN0M0  GS9) だからに他
ならず   病状がどのリスク群に分類されるかで
根治を目指す治療法も観察期間も変わってくる
 
ところでガンの「根治」とはそもそも何をもっ
て根治したと言えるのかモヤモヤっとしている

ガン患者の治療効果を判定する指標として5年
生存率
があるが再発の有無に関係なく生死だけ
の把握なのだろうか?  えっまだ死んでませんて

生存率より予後に関していえばおそらく生存し
ている腫瘍細胞はなくなった (であろうと思わ
る) から根治した (としよう) というケースも
ある筈だと 独断だが  疑い深いオジさんは思う

本当にそうなのかどうかはその後本当に大きく
なる事がないかどうかずっと追跡して結果を見
なければ解らないのだろう   それはキツい

命あるものが死ぬのは自然の摂理だからわかる
解るが孫も生まれるのでもう少し長生きしたい
ウーン 悩める哲学的命題も孫の存在で納得だな
IMG_0971
NHK Eテレ 「世界の哲学者に人生相談」より

死を受け入れる覚悟が出来たと思いきや折に触れ
この世に未練が残る この両極を往ったり来たり
で心が定まらず 文字通りなんとも往生際が悪い 

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